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アダルトチルドレン

なぜ生きづらいのか?

「毎日、人間関係などで気持ちがすり減って疲れる」

「もう大人なのに、なぜ、子どものころのことで、今もつらい?

「周りの目が気になって仕方がないので気持ちが休まらない」

もしかしたら、アダルトチルドレン(AC)の生きづらさのサインかもしれません。ACとは育った環境が、健全にこころが育ちにくい環境だった場合に、大人になっても抱える生きづらさを説明する総称です。

例えば、私たちは、育つ環境から大きな影響を受けるので、今の私たちの考え方や価値観は、親から教えられた経験から成り立っていることが多いです。私たちみんな考え方の「くせ」のようなものがあります。この考え方のくせは、自分の過去で経験したことを元に、自分がそれについてどう捉え、そしてその捉えたことを無意識の中で繰り返し自分に言い聞かせていきます。繰り返すことによって、くせになっていくのです。

そしてこの思考のくせは、気づくことによって直すことができます。例えば、親が「世間体を気にする」価値観が強かったとします。何かをしようとするたびに「世間体が気になるから」、行動が制限されたり、秘密にしなければならなかったりします。大人になっても、何か新しいことをしようとすると、「世間はどう考えるのか」と周りの目ばかり気にして、自由に行動できなくなったりします。そうすると、生きづらさを感じやすくなるでしょう。

もう一つは、子どものころに感じていた感情が蓋をしてあってそのままになっているからです。親に対する怒りや悲しみが強いと、子どものころは、自分が生き延びるために、自分のつらさを「押さえ込む」ことをします。そうすると、過去のことをふと思い出したときや、大人になって親と話しをしようとしたときなど、なんらかの引き金があると、強い怒りや悲しみや絶望感がでてきます。この強い感情は、つらい気持ちを強くさせるでしょう。

このようにACの癒しについてご一緒に考えていくことで、今のあなたのこころのつらさが次第に癒えていきます。ACとはなにか? カウンセリングで何ができるのか? 人はどのように変化していくのか?などについてお話します。

アダルト・チルドレン(AC)とは?

生まれ育ったご家庭が健全にこころが育ちにくい環境だった場合に、大人になっても生きづらさを感じている方のことを、総称で「アダルトチルドレン」と呼ばれています。あなたが「子どものままで甘えている」という意味ではありません。

もともとAdult Children of Alcoholics (アルコール依存者がいる家庭で育った、今は大人になった子どもたち)という言葉からきていますが、今は拡大して意味が解釈されるようになり、何らかの機能不全の過程で育った、今は大人の子どもたちが抱える、生きていく上で感じるつらさを理解するための総称となっています。

もしかしたら、「愛着障害」「パニック障害」「うつ」「人格障害」「PTSD」などと診断名がでているかもしれませんし、慢性の疾患「皮膚病」「アレルギー性疾患」「免疫系疾患」などとも関係があるともいわれています。

家族の一番の機能は「安心感」です。この安心感がなんらかの形で失われていると、機能不全となります。機能不全には、さまざまな形があります。性的・身体的・精神的虐待、ネグレクト、親のアルコール依存・薬物依存、DVだけではなく、兄弟と比べられる、過度に期待されること、価値観の押し付け、仕事で忙しい親、家にいても仕事や飲酒で話ができない、女ということで差別される、病気の兄弟に両親の意識が集中してしまう、または、祖父母が両親よりも力を持っている、などです。

多くの方は、自分の感情をだせず、どう表現したらいいかもわからないのです。それは、家で感情を表現することを禁止されていたためです。また、強い価値観で押さえつけられていたことも多く、自分の意見を言ってはいけない、さらに思ってはいけないと感じる方もいます。

カウンセリングの進め方

このような方々には、継続的なカウンセリングをお勧めしています。それは、今までつらかった体験を語ることで、そのつらい感情を手放すことを主に行うため、継続的に通っていただくと、セラピストとの安心感を感じていただけること、また強い感情がでてきてもアフターフォローできるためです。

安心感を取り戻す

アダルトチルドレンの方のつらさは、安心感を感じられないことだと思います。

話していいんだろうか、思っていいんだろうか、やっていいんだろうか、そんな不安がつきまといます。親と愛着形成ができていなくても、ちがう大人とできているといいと考えられています。

親でもない、友だちでもない、第3者として、カウンセラーと安心感を感じることは、癒しのプロセスでとても大切なことです。安心感を感じることで、今まで話せなかったことを話せるようになります

この安心感を感じる一つの方法として、日常生活の中で、自分のセルフケア(自分のために自分のお世話をすること)をしていただき、自分のことを大切にする感覚を身につけていきます。自分のために時間やお金をかけることで、自分はそれだけ価値のある人間なんだと実感することができます。

感情の解放

感情をおしこめたままだと、負の感情だけではなく、正の感情も感じなくなっていきます。そのため、幸せな感覚もどんどんなくなっていき、感情が平坦になっていきます。

カウンセリングでは、この感情を感じることに働きかけます。はじめは、とてもむずかしく、抵抗を感じる方も多いです。そのため、カウンセラーとの安心感が必要となるのです。だれかが一緒にいてくれる安心感があるからこそ、感情を感じるようになっていきます。

今までためてきた怒りや悲しみ、傷つきを、言葉で表現したり、絵や粘土を使って表現したり、体を使って表現したり、イメージを使ったり、何かを投げたり、たくさん泣くことで、自分の外へ出していきます。

そうすると、同じことを考えても、思い出しても、強い感情がでてこなくなり、自分の「過去」にやっとなるのです。

インナーチャイルドのワーク

子どものころのつらかった自分のイメージ「インナーチャイルド」と出会うワークをすることもあります。

インナーチャイルドとは、「こどもの頃の自分のイメージ」ですが、特に苦しかったかったときの自分のイメージと向き合います「チャイルド」という呼ばれていますが、それは小さい子どもかもしれませんし、思春期、大人の可能性もあります。

本来、人がもっている自由さ、好奇心の強さ、無邪気さ、人を信用する力を、何かつらいことがあると、固まってしまいます。そのため、インナーチャイルドのワークをすると、そのときの自分の表情が暗く、泣いている方も多いのです。

インナーチャイルドとは、イメージの中で出会います。それは、絵を描くこと、リラックスした状態の中でイメージすることで行います。インナーチャイルドと出会い、話をしたり、一緒に遊んだりすることで、不思議なぐらいつらかった体験が癒されていきます。

退行催眠

退行催眠は、催眠術(テレビでみるエンタメのための)とはちがいますので、自分自身の意思反してコントロールされるようなことはありません。自分が無意識に思い出したくないこと、準備できていないことはでてきません。終わったあとに、自分が何を思い出したか、思い出すこともできます。

退行催眠は、自分のつらかったことを、リラックスした状態で、思い出し、それを安心感の中で再体験することで、自分の感情の解放、そしてその出来事の捉え直しができます。

人間は、無意識に考えていることを、表面的に考えていること(顕在意識)がちがうとストレスになります。そこを一致させることで、ストレスが緩和されることも多いのです。

また、つらかったことの原点を思い出すだけでも、癒しが起きます。

カウンセリングの頻度

このような場合は、定期的に継続してご来談していただくことをお勧めします。安心感を得られ、こころの癒しの過程が早くすすみます。

カウンセリングの効果

今まで多くのACのケースを扱ってきました。カウンセリングにいらっしゃるほぼすべてのみなさんに共通してある程度ある課題です。

完全に安心感を感じて、全部を肯定される環境で、自分の本当のことを話すことがどんなに癒しの効果を持つのか?については実感をもってみなさんにお伝え出来ます

どんなに深いこころの傷であっても、ご本人の意思があれば、それは癒され、成長し、回復し、ただ症状やつらさが消えるだけではなく、自分の素晴らしさに気づくきっかけにもなります。ある程度の期間自分と向き合う作業にはなりますが、一生のうちでそのような体験は非常に貴重で人生が大きくよい方向へ導いていける体験となると思います。

通常のカウンセリングの限界

しかし、こころのつらさを何度も何度も語りつくし、それでもよくならない場合もあります。そんな方々もたくさんみてきました。つまり私たちはポジティブな反応を周りから得たいとこころの底で願う部分をみんな持っています。「語る」ことで周りから、同情、共感、優しさ、特別待遇などを繰り返し受けることで、その「困った状態」から抜け出ることを無意識のレベルで拒否してしまうことになりかねません。元気に健康になってしまったら、もうそのような「特別な視線」を周りから受けることができなくなってしまうからです。そこで、長年自分の「病気」「診断名」にしがみつき、そこから動いていくことを恐れてしまうような事態が起きることがあります。
私はそのような場合は、通常の「語る」タイプのカウンセリングから切り替え、その人の成長や前に進もうとする力」に意識を集中する「逆転のコミュニケーション法NHA」の手法に切り替えます。そうるすことによって、古い「語ることによってエネルギーをもらってそこから動けない」パターンから抜け出し、「新しくチャレンジして、そこに自分でも成長をみて誇れる自分」を作り出すことができていくようになります。

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